「勝てる場面で手を抜かない」子どもが伸びる理由

これまで多くのご家庭とお話しする中で、とても印象に残っている保護者の方の言葉があります。
「『勉強しなさい』と言った記憶はほとんどありません。
でも、『勝てる勝負ではしっかり勝ちなさい』ということは、よく伝えていました。」
その「勝負」とは、テストだけを指しているわけではありません。

運動会でも、部活動でも、ゲームでも、何でも構わない。目の前にあることに本気で取り組み、中途半端に終わらせない。
その姿勢を大切にしていたそうです。

実は、学力の高いお子さんが育つご家庭では、このような考え方に共通点を感じることが少なくありません。

「東大を目指しなさい」「もっと勉強しなさい」という話ではなく、
「今、目の前にあることを真剣にやり切る」という価値観が、日常の中に根付いているのです。

【小さな行動の積み重ねが、大きな差になる】

例えば、本を読んでいて知らない言葉が出てきたとします。
そのとき、
「何となく意味は分かるから、このままでいいか。」
と読み進める人もいれば、
「正確にはどういう意味だろう。」
と、その場で辞書やスマートフォンを使って調べる人もいます。

この違いは、ほんの数十秒の行動です。
しかし、この数十秒の差が一日に何度も積み重なり、
それが何年も続けば、身につく知識や理解には大きな差が生まれます。
学力が高い人ほど、この「気になったらすぐ調べる」という行動を自然に繰り返しています。
分からないことを放置せず、その場で解決しようとする姿勢が、長い目で見ると大きな財産になっていくのです。

【本当の勝負は、毎日の中にある】
私たちは「勝負」と聞くと、受験や大会、面接などの大きなイベントを思い浮かべがちです。
しかし、本当に大切なのは、日常にある小さな勝負です。
・知らない言葉を調べるか、そのままにするか
・授業で理解できなかった部分を質問するか、放置するか
・問題が解けないとき、あと5分考えてみるか、すぐに諦めるか
・テストで見直しの時間を最後まで使うか、それとも何となく待ってしまうか。
一つひとつは些細な選択ですが、その積み重ねが数年後には大きな差となってれます。

普段から「目の前の勝負で手を抜かない」という習慣を持っている子どもは、
こうした小さな場面でも自然と最善の行動を選ぶようになります。

毎日の中にある小さな勝負を、一つひとつ大切にする習慣を育てることです。
その積み重ねこそが、数年後の大きな成長につながっていくと、私たちは考えています。

   

(漫画:©︎三田紀房/コルク)より抜粋