小学生にプログラミングの学習を進める理由

1.なぜ、プログラミング教育は必修化されるのか?

2020年からの小学生でのプログラミング教育の必修化が注目を集めていますが、それ以前には既に2012年から新学習指導要領に基づき、中学校での「プログラムによる計測・制御」が必修化されています。

プログラミング教育が必要とされる背景のひとつとして、第4次産業革命やグローバル化に対応する人材を育てることがあります。

経済産業省の発表では、2020年に36.9万人、2030年には78.9万人ものIT人材が不足するとされています。(IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果より) IT関連のビジネスは今後ますます拡大していくと予想されており、人材育成が必須となっています。

2.プログラミング教育の目的は?

プログラミング教育の目的は、プログラミングのスキルを身に着けるだけでなく、「小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成」が目的とされています。

有識者会議でも、プログラミングに必要なコーディング(プログラミング言語を用いた記述方法)は時代により変化していくため、コーディングなどを覚えることではなく、自分で考え、それを形にしていく、プログラミング的思考力や行動力の育成が重要とされています。その時々に合わせて柔軟に対応できる、時代を超えて普遍的に求められる資質・能力を身に付けることが最大の目的とされています。

プログラミング教育の目的は、将来のIT人材の不足を補うためもありますが、それ以上に将来どのような職業につくときにも必要となる「プログラミング的思考」の育成が重要とされています。

*文部科学省 小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/122/attach/1372525.htm

3.プログラミング的思考とは?

プログラミング教育の最大の目的とされる、プログラミング的思考とは何でしょうか?

プログラミング的思考は簡単に言うと、「目的を達成するために物事を順序立てて考え、結論を導き出していき、それを計画的に実行する考え方」です。そのためには論理的思考・創造性・問題解決能力・行動力が必要されます。考えるだけでなく、実行に移していくことにより、様々な経験を積むことが出来ます。

これらを身に付けることにより、様々な問題に対応していく力や積極性を身に付けることも期待されます。

4.小学校のプログラミング教育では具体的にどんなことを身に付けるのか?

文部科学省の有識者会議では以下の内容があげられています。

①まずは身近な生活でコンピューターが活用されていることに気付かせる。
②問題の解決には必要な手順があることを教え、論理的思考を身に付ける。
③各教科で育まれる思考力を基盤としながら、基礎的な「プログラミング的思考」を身に付けること。

中学校のプログラミング教育が技術家庭科の項目になっているのに対し、小学校でのプログラミング教育は、算数・図画工作・理科・音楽など、様々な教科で行われることになっています。現在すでにプログラミング教育を取り入れている小学校もあり、「プログラミング教育実践ガイド」として、文部科学省のホームページで紹介されています。

④コンピューターの働きを生活に生かそうとする姿勢を身に付けること。
プログラミング的思考は、どんな時代やどんな状況でも、普遍的に求められる資質・能力と考えられています。自分で考え解決していける力を身に付けておけば、仕事だけでなく、日常の生活で問題に直面した時も役に立ちます。

こうした考え方が身に付くことことにより、わからない問題を解いていく楽しみも生まれ、勉強へのやる気を高めることにもなり、子どもの将来の選択肢を広げることにも繋がる可能性があります。

5.小学校のプログラミング教育では具体的に何をするのか?

既存の教科教育の中で、プログラミング教育はどのように組み込まれていくのでしょうか? 文部科学省『小学校プログラミング教育の手引(第三版)』(https://www.mext.go.jp/content/20200218-mxt_jogai02-100003171_002.pdf)で示されている例を見てみましょう。

たとえば算数では、「プログラミングを通して、正三角形の意味を元に正三角形をかく場面」が想定されています。正六角形などを分度器や定規を用いて正確に作図することは難しく、どんなに丁寧に作業したとしても、長さや角度がわずかにずれてしまいます。

ところが、プログラミングを通してそれを行うと、正確な作図を行うことが可能です。そしてその過程で、どのような命令をすればプログラムが動くのかを児童が考えることになります。しかもこれを応用すれば、人間が手作業で行うには時間がかかりすぎたりする作業も、コンピュータを使えば容易に行えるということに気づけます

教科教育を通して、コンピュータやプログラミングに何ができるのかを理解してもらえるようになっています。

6.既存の教科外でも行われるプログラミング教育

先ほども参照した『小学校プログラミング教育の手引(第三版)』では、学習活動の分類として、教科内で実施するもののほかに「教育課程内で各教科等とは別に実施するもの」「クラブ活動など、特定の児童を対象として、教育課程内で実施するもの」についても触れられています。

「教育課程内で各教科等とは別に実施するもの」は、各学校の裁量で実施されるもの。各教科の学びを確実にするため補助的にプログラミングを導入するのではなく、プログラミン的思考を育むこと、コンピュータ等を活用して身近な問題を解決する態度を育むことなどを目指して実施されます。ここでは、実際に簡単なプログラムを組むような授業が想定されています。

「クラブ活動など、特定の児童を対象として、教育課程内で実施するもの」は、いわゆる課外活動にあたるものです。クラブ活動の内容としては、「オリジナルアニメーションをつくろう」「家で使える便利な機械」を考えようといった、やや高度なものが設定されている印象です。プログラミングに興味をもった児童たちに、さらに学習を行ってもらいたいという狙いがあるのでしょう。プログラミングが得意な児童に、苦手な児童のサポート役を担ってもらう、といったことも想定されています。

https://coeteco.jp/articles/10040

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