暗記が苦手なのは能力の問題ではないのです。

多くの生徒から、「覚えられない」「暗記が苦手です」といった声をよく耳にします。
でも、まずはお伝えしたいのは、暗記が得意な人なんていないということです。なぜなら、私たちの脳はもともと「忘れる」ことを前提に設計されているからです。

私たちの脳は、日々膨大な情報にさらされています。もしもすべての情報を記憶していたらどうなるでしょうか。
考えられる事例としては
・情報過多で処理が追いつかなくなる』
・判断や行動が遅くなる
・本当に必要な情報を取り出せなくなる

こうした状況は、むしろ生きていく上で不利になるため、脳は「使わない情報は消す」「重要な情報だけを残す」という仕組みを持っています。
したがって、暗記が苦手だと感じるのは、脳が正常に働いている証拠とも言えるのです。

『忘れることは、脳の自然な働き』です。

エビングハウスの研究によると、
・1日後には多くの情報を忘れる
・1週間後にはさらに忘れる
という結果が示されています。
エビングハウスの忘却曲線 | 【Enriching Digital Life ...
これを聞くと、「人はこんなに忘れるのか」と不安になるかもしれませんが、これは脳がサボっているわけではありません。
むしろ、「この情報は必要かどうか」「残すべきかどうか」を判断している過程なのです。

では、長く記憶にとどめるためのポイントは、脳が「重要」と認める情報です。
そのために必要なことは

①繰り返しの学習(復習)
一度だけではなく、何度も復習することで、記憶の定着が促進されます。
特に、一定の間隔を空けて復習する「間隔をあけた復習」が効果的です。

②意味付けや関連付け
新しい情報を既存の知識や経験と結びつけることで、記憶に残りやすくなります。
例えば、覚えたい内容を自分の経験や具体的な例と関連付けると良いでしょう。

③感情を伴う学習
感情が関わると、記憶に強く残る傾向があります。
興味や関心を持ちながら学習することが、長期記憶の定着に役立ちます。

④アクティブな学習
ただ読むだけや聞くだけではなく、自分で問題を解いたり、説明したりすることで、記憶の定着率が高まります。

⑤適切な休息と睡眠
脳は睡眠中に情報を整理し、長期記憶に変換します。
十分な休息と良質な睡眠をとることも、暗記の効率を高める重要なポイントです。

つまり、「繰り返された情報=生きるうえで必要」と脳が判断し、長期記憶へ送られていきます。
必要なのは「回数」と「継続」
英語が覚えられないのは、能力の問題ではありません。
・接触回数が足りない
・使用頻度が低い
・感情が動いていない

このどれかです。逆に言えば、
・音読する
・繰り返す
・実際に使う

これを淡々と続けるだけで、脳は「重要な情報だ」と判断し、忘れにくくなります。
強い意志で覚えようとする必要すら、本来はありません。必要なのは「回数」と「継続」です。

英語学習に特別な才能はいらない
最後に、いちばん大切なことをお伝えします。

忘れるのは正常です。
忘れないのは、繰り返したものだけです。
だからこそ、今日も同じことを、同じように、淡々と続ける。
その積み重ねが、確実に未来の力になります。

英語学習に特別な才能は必要ありません。必要なのは、「続ける設計」だけです。