ある男が蕎麦屋に入り16文(料金)の蕎麦を注文します

蕎麦の味、看板、器に割りばしと目に見えるものを何でも褒め上げる男

蕎麦屋の大将も悪い気はしません

そばを食べ終わった男はお会計へ

大将の手のひらに「1,2,3,4,5・・・」と一枚ずつお金を載せていきます

「6,7,8・・・」まで数えたときに男は大将に「ところで今何時？」と尋ねます

大将が「9時です！」と答えたところで、男は9を飛ばして「10,11,12・・・16」と料金を1文ごまかします

その様子を見ていた別の男が「これは使える！」と感心し

さっそく翌日真似をしてみます

せっかちなその男はいつもより早めに家を出て、見つけた店屋にささっと入ります

ところがその店、味はまずく、看板もボロボロ、器も割れているなど褒めるところが一切ありません

結局すべて食べきることなくお会計へ

見よう見まねで大将の手のひらに1枚ずつ支払います

「1,2,3,4,5,6,7,8・・・ところで大将、今何時？」

大将が「4時です！」と答えると、「5,6,7,8・・・」と続け

まずい蕎麦を食べた挙句、余計に代金を支払ってしまいました